バンクの花道
第五回「今始まる……!」

 

 
午後7時ミーティングが始まる。

ソファが空いてるが若手ホスト達は後ろへ立たされ、時間ぎりぎりにベテランホスト達が現れ席に着いて行く。

「おう!おはようさん」本田店長の登場だ。

「最近、若手の売り上げが非常にええぞ、特に丸! 今月売り上げナンバー2じゃい。ベテラン組は気合い入れていけよ! それから今日から入るミヤケシンじゃ。よろしゅうしたって」

「ど、ど、ど、ど、どうもミヤケシンです。分からない事があったら教えて下さいよろしくお願いします」

「このボケッ転校生かっ!ギャハハハァ」

ナンバー1ヒロシからの歓迎か洗礼か厳しいお言葉がかかる。

「ヒロシさんっ! ちょっと言い過ぎじゃないすか? あんまりでしょう!」

「おいおい、ちょいと2番になりゃあお説教かい。ハイハイすんまそん」

一瞬緊張が走る。同じ店内でこのやりとりは……俺は超高温サウナに入っているくらいの汗で全身びしょびしょだ。もうやめたいくらいだ。

「さぁ今日も一日下心大盛りで頑張ろう、解散!」店長の一言で店は開店した。

「伸さんとりあえずヘルプで呼ぶから入口で立っててよ」

入口には若手ホストたちが並んでいる。井上タツヤ、岩津ユウスケ、内藤アツシ、みんなヘルプ専門らしい。

「俺たち二年くらいになるんですが、全然お客が付かないんです。同期の守谷や友定は今や雲の上の存在ですよ、守谷に関しては喋ってもくれません」

分かる気がする……店内はすでにベテラン組が各テーブルで盛り上がっている。ざっと見ると4グループくらいに分かれていて、ヒロシのSっぽいテーブル、長谷隆志の新喜劇的ノリのテーブル、石丸の口下手で全然面白くないけど、女がメロメロのテーブル、守谷の他のお客を横取りしてやろうとしながら目をギラギラさせているテーブルと外野から見ているといささか面白い光景だ。

すると巧ちゃんが寄って来た。

「丸ちゃんのテーブルヘルプです」

これから新しい一歩が始まる……!

 

 

 

●胴体 ●目 ●耳 ●口 ●手 ●太腿 ●骨